韓国、福島など8県の水産物輸入全面禁止 9日から
【ソウル=小倉健太郎】韓国政府は6日、福島県など8県でとれた水産物の輸入を9日から全面禁止すると発表した。現在は約50品目の輸入を規制しているが、東京電力福島第1原発事故による汚染水流出問題の深刻化を受けて対象を拡大する。8県以外でとれた農水産畜産物も、放射性物質が検出された場合は基準値未満でも事実上輸入できなくする。
6日午前に政府と与党セヌリ党が開いた会議で決めた。記者会見した国務総理室広報室長は「汚染水の海への流出に国民の憂慮が大きくなっている。日本政府の提供資料だけでは今後の事態を想定できない」と規制拡大の理由を説明した。ただ、今回の対応は暫定的な措置だとしている。
韓国では汚染水流出のニュースが大きく報じられ、日本産だけに限らず水産物全体に買い控えの動きが出ている。
韓国政府によると、2012年の日本からの水産物輸入は約4万トン。このうち、今回全面禁止となる福島、茨城、群馬、栃木、千葉、岩手、青森、宮城の8県からの輸入は5000トンだった。
8県以外から輸入した農水畜産品は現在も検査を実施。このうち農畜産物については、微量でも放射性物質が検出された場合は精密検査を求めて日本に送り返している。一方、水産物は腐りやすいため基準値未満の場合はそのまま受け入れており、韓国内で「2重基準」との批判が出ていた。今後は水産物も送り返すこととし、事実上、輸入を禁止する。
関連企業・業界