汚染水タンクを解体調査 東電、漏洩源を特定へ
東京電力福島第1原子力発電所のタンクから放射性物質を含む高濃度の汚染水が漏れ出た問題で、東電は27日、タンクを解体して原因を調べることを明らかにした。調査結果を参考に、同じ型のタンクの漏洩対策に生かす。使用中のタンクの見回りも強化し、漏れを早期に発見する体制を整える。
同日開かれた原子力規制委員会の対策検討作業部会で公表した。タンクからは300トンの汚染水が流出している。すでに汚染水を抜いており、洗浄したうえで解体し、2~3週間以内をメドに漏洩した場所を特定する。
更田豊志委員は「対策を打つためにも漏洩源の特定を急いでほしい」と注文を付けた。タンクはボルトで締め付ける単純な構造で隙間から漏れた可能性もあることから、規制委はより丈夫とされる溶接型タンクに切り替えることを検討するよう東電に求めた。
一方、漏洩の早期発見のため東電は約300基ある使用中の同型タンクに水位計を取り付けるとともに、見回り要員を50人増員して点検回数を増やす。また万一の場合の汚染拡大防止を目的に、タンクを覆うせきの外側に新たに二重目の堤を造る。周囲の土はアスファルトで固め水が染み込まないようにするなど漏洩防止策を多重にする。