トルコ中銀、大幅利上げ決定 翌日物金利12%に
緊急会合で
【NQNニューヨーク=森安圭一郎】トルコ中央銀行は28日開いた緊急の金融政策委員会で、通貨防衛と物価上昇の抑制を目的に政策金利の大幅な引き上げを決めたと発表した。短期金利の上限となる翌日物貸出金利を4.25%上げ、12%とする。金利水準は2011年10月~12年2月に適用されていた12.5%以来で、ほぼ2年ぶりの高さとなる。
中銀は声明で「(最近の通貨急落などが)物価や経済安定に与える負の影響を封じ込めるため、必要な手段をとる」と指摘。インフレの見通しが落ち着くまで引き締め方向の金融政策を続けると明記した。
トルコの利上げは13年8月の定例会合以来で約5カ月ぶり。事前の金融市場では2.25%程度の利上げを予想する関係者が多かった。4.25%は市場予想の上限に近い。
市場では先週来、米金融緩和の縮小や中国経済減速への警戒感を背景に高リスクの新興国通貨から投資資金が流出。トルコリラも急落し対ドルで過去最安値を更新していた。トルコ中銀はマネー流出を食い止めるとともに通貨安に伴う物価上昇を抑え込む必要もあり、大幅な金融引き締めを決めた。
今回の利上げを巡っては、3月に統一地方選を控え景気刺激を優先したいエルドアン首相が公然と反対論を唱えるなど、騒然とした雰囲気の中での決定となった。