リニア新幹線、営業車両で500キロ試験走行 JR東海
JR東海は29日、2027年の開業を目指すリニア中央新幹線の本格的な試験走行を始めた。営業仕様の新型車両「L0系」を使い、最高時速500キロメートルで走行。従来の2.3倍に延伸した全長約43キロメートルの実験線で高速走行時の車両性能の確認のほか、ガイドウエイと呼ぶ線路の上をスムーズに走行できるかなど営業運転に向けた試験を繰り返す。
リニア新幹線は東京・品川―名古屋間を40分、東京―大阪間を67分で結ぶ。27年に名古屋まで、45年に大阪までの全面開業を目指しており、来年度から本格的な工事に着手する。
山梨県都留市で同日開いた「出発式」に出席した太田昭宏国土交通相は「リニアは三大都市圏間の人の流れを劇的に変え経済活動にも大きなインパクトを与える」と強調。JR東海の葛西敬之会長は「21世紀の超高速陸上輸送をリードする超電導リニアが走り始めることは、世界の交通技術史上に記念すべき足跡を残すことになる」と述べた。
今後、実験線での試験走行を繰り返し、来年にも一般向けの試乗会を実施するとみられる。
JR東海は実験線の先行区間約18キロメートルで1997年から11年9月末まで試験走行を実施。延伸工事が完了したため試験走行を再開した。