米石油掘削装置稼働数、3カ月ぶり増加
【ニューヨーク=稲井創一】米石油サービス大手のベーカー・ヒューズが3日発表した米石油掘削装置(リグ)の稼働数は前の週に比べ9基増えて325基だった。増加は約3カ月ぶり。原油相場の持ち直しで、シェールオイルの新規掘削活動に底入れ感が出てきた。
鉱区別では南部のテキサス州とニューメキシコ州に広がるパーミアン地区の石油リグが5基増の142基となった。イーグルフォード地区も26基と前の週に比べ横ばいとなるなど、全米各地の鉱区で稼働数の減少に歯止めがかかっている。
原油先物価格の指標であるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート、期近物)は今年2月の安値から8割強上昇し、足元では1バレル50ドル近辺で推移している。コスト競争力のある鉱区では採算が取れる油井もあるとみられ、掘削活動を再開するシェール企業も出てきているようだ。
昨年もWTIが6月に60ドル台にまで戻り、夏場にかけてリグの稼働が増加する局面があった。しかし秋以降、原油価格は下げ足を速め、シェール企業によっては赤字幅の拡大につながった。今後もリグが順調に増加基調をたどるかは不透明だ。稼働中の米石油リグは14年10月の1609基をピークに、今年5月27日時点で316基にまで減少していた。