東証大引け、3日続落 英EU離脱懸念などでリスク回避 2カ月ぶり安値
13日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に3日続落した。前週末比582円18銭(3.51%)安の1万6019円18銭とこの日の安値で終えた。下げ幅は4月28日以来およそ1カ月半ぶりの大きさで、4月12日以来およそ2カ月ぶりの安値を付けた。英国が欧州連合(EU)を離脱するとの懸念や中国景気の先行き不安などが増し、投資家心理が悪化した。リスク回避姿勢が強まって「低リスク通貨」とされる円が上昇し、輸出企業の採算悪化を警戒して買いが手控えられるなか、小口の売りで下げ幅が広がった。
EU離脱を問う英国民投票に関する世論調査で、前週末10日に離脱支持派の比率が高まったことが明らかになった。残留支持を大きく上回って欧州経済の先行きに対する不安が増すなか、円相場が急伸した。採算が悪化するとの見方が強まり、朝方から輸出関連株中心に幅広い銘柄に売りが出た。前週末の欧米株式相場の下落や原油安も重荷になった。米南部フロリダ州で12日に起きたテロや、13日発表の小売売上高などの中国経済指標も市場心理に影を落とした。
円相場が後場に入っても騰勢を強めて1ドル=105円台後半、1ユーロ=119円台前半まで円高が進んだため、大引けにかけても先物主導で日経平均は下値を模索する展開となった。
JPX日経インデックス400は3日続落し、前週末比412.63ポイント(3.44%)安の1万1568.97、東証株価指数(TOPIX)も3日続落で46.18ポイント(3.47%)安の1284.54となった。
東証1部の売買代金は概算で1兆8518億円。売買高は18億7631万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1903と、QUICK端末でデータを遡れる1997年2月以降で最多だった2月9日(1904)に次ぐ多さ。全体の97%強を占めた。値上がりはわずか40、変わらずは15銘柄だった。
自動車株で欧州売上高比率の高いマツダが急落したほか、トヨタや日産自も大幅安となった。原油安を受けて国際石開帝石や石油資源の鉱業株への売りが膨らんだ。新日鉄住金やJFEの鉄鋼株、三菱UFJや三井住友FGの銀行株への売りも目立った。
一方でカルソカンセやコジマ、gumiなどが散発的に買われた。
東証2部株価指数は続落した。ぷらっとやアートSHDが下げ、ランドコンピやサトウ食品が上げた。〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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