サウジが原油増産を示唆 国営石油CEO「需要増に対応」
サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコのアミン・ナセル最高経営責任者(CEO)は10日、同国ダーランの本社で「世界の需要は増えており、それに対応する」と述べ、原油を増産する方針を示唆した。英フィナンシャル・タイムズ(電子版)などが伝えた。
サウジは4月に発表した経済改革構想「ビジョン2030」でアラムコの新規株式公開(IPO)を打ち出した。アラムコが上場を前に原油を増産する方針を示したことで、原油の供給過剰が長期化し、原油相場を押し下げる可能性がある。
ナセル氏はインドや米国などでエネルギー消費量が増えていると指摘し、2016年の世界需要は日量120万バレル増えると予想する。アラムコは昨年、過去最高水準の日量1020万バレルを生産。同氏は「(アラムコの)今年の生産量は増えるだろう」と述べた。
米欧の経済制裁が1月に解除され、増産を続けるイランに対抗する狙いもあるとみられる。4月に主要産油国が開いた会合ではサウジの反対で増産凍結に合意できなかった。
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