「日本酒」表示、純国産に限定へ 今秋にも国税庁
国税庁は11日、外国産の清酒との区別を明確にするため、国産米や国内の水を使って国内で醸造された清酒だけを「日本酒」として販売できるようにする方針を固めた。今秋にも、地名を商品名に使う知的財産権である「地理的表示」に指定。政府のクールジャパン戦略の一環として日本酒のブランド力を高め、海外展開を後押しする。
酒類の地理的表示は世界貿易機関(WTO)の協定に基づく制度。日本を含む加盟国は指定された特産品を保護し、その地名を産地以外の商品に使わないよう取り決めている。違反商品については製造や販売の取り締まりを各国に要請できるようになる。
世界的な和食ブームを受け、日本酒の輸出は増加傾向にあり、2014年の輸出額は10年前の2倍強にあたる約115億円、輸出量は約2倍の約1万6300キロリットルとなっている。一方で米国やブラジル、中国などで現地産の米などを使った清酒の生産が活発化し、関係者から日本酒ブランドの保護を求める声が強まっていた。
酒類の地理的表示制度は1995年に開始。海外では、フランスのワイン産地「ボルドー」「ブルゴーニュ」「シャンパーニュ」、ブランデーの「コニャック」、スコットランドのウイスキー「スコッチ」などが指定を受けている。
国内では日本酒産地の「白山」(石川県白山市)のほか、焼酎の「薩摩」(鹿児島)、泡盛の「琉球」(沖縄)、ワインの「山梨」(山梨)など計6種類が指定されている。