歩行者に車接近知らせる装置、HVなど義務付け 国交省方針
国土交通省は1日、走行音が静かなハイブリッド車(HV)などの接近を歩行者に音で知らせる「車両接近通報装置」の搭載を、自動車メーカーに義務付ける方針を固めた。国連機関で3月ごろ成立する音量などの国際基準を踏まえ、2018年にもHVや電気自動車(EV)、燃料電池車といったモーターで走行できる新型車に適用する。
高齢者や子供ら歩行者と自転車の安全対策を強化するのが狙いで、道路運送車両法の保安基準を改正する。国際基準を満たした装置を搭載していない新型車は、国内で販売できなくなる。中古車などは対象外。
モーターで動く車は低速走行の際の音がエンジン車に比べ小さく、歩行者が接近に気付かない危険性が指摘されている。国交省は10年1月に接近通報装置に関する指針を定め搭載を促した。国交省によると、現在は各メーカーが販売する新車のHV、EV、燃料電池車に標準装備されている。
国際基準は日本と欧州が作成を主導しており、通報音の音量や周波数を数値で示し、歩行者の聞き取りやすさを重視した内容になる。現行の国交省指針には具体的な数値基準はなく、厳格化することになる。
国交省は、昨年10月に徳島市で全盲の男性がバックしてきたトラックにはねられた死亡事故の再発防止策として、右左折や後退を知らせる警報音装置や、後方を確認できるモニターの設置を大型車に義務付けることも検討している。〔共同〕