東芝と東芝機械、金属3Dプリンター開発 造形速度10倍速く
東芝は25日、グループ会社の東芝機械と金属3次元(3D)プリンターの試作機を開発したと発表した。レーザーを照射しながら金属粉末を噴射し、金属層を積み重ねて造形する。金属粉末を装置内部に敷いて、レーザーで焼き固める方式に比べて、造形速度は10倍以上速く、低コストで造形できる。2017年以降の実用化を目指す。
経済産業省の委託事業として開発した。東芝の流体シミュレーション技術を使い、金属粉末を噴き出すノズルを開発した。レーザー出力が800ワットで1時間あたり110ccを造形する。16年には250ccに高める。東芝機械は装置本体の製造や制御を担当した。
素材は鉄やステンレス、インコネルが造形でき、今後はアルミニウムや銅にも対応する。製品化までに造形物の面精度を、一般的な3Dプリンターに比べて2倍の±50マイクロメートルに引き上げる。
東芝は社会インフラ機器部品などの製造工程で、金属3Dプリンターを活用し、生産効率の向上を目指す。東芝機械は工作機械などと組み合わせ、顧客提案力を強化する。