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米中首脳会談、中国の思惑通りにはならない

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米メディアはまもなく、紙媒体かデジタル媒体かを問わず、9月半ばに予定されている中国の習近平国家主席の米国訪問に関するニュース一色になるだろう。習主席とオバマ大統領の首脳会談で、気候変動に関する協力体制の進展や両国軍の関係の発展などに関して、目に見えた成果が上がるかどうか、臆測も飛び交うだろう。米中関係の専門家がさらに注目するのは、中国側が非政府組織(NGO)の法案(注:中国内で活動する海外NGOに対する規制を強化するもの)の見直しに言及するかどうかだ。米中両国は首脳会談直前まで水面下での交渉を継続するとみられており、最低限、2国間投資協定の締結に向けた前向きな動きはあるはずだ。

しかし、レーバーデーの週末にかけて北京で行われた米中関係の意見交換の際に私が聞いた話に基づいて考えると、今回の首脳会談で中国は最も欲している成果を得られそうにない。米国はまだその準備ができていないからだ。具体的には以下である。

中国の望む3つのこと

1)新しい国際秩序に関する認識:中国の学者や政府関係者はよく新しい国際秩序について言及する。新しい国際秩序が何を意味するのかは今ひとつはっきりしないのだが、こうした学者や政府関係者は中国が安全保障や国際的なルール、あるいは機関の構築において、対極構造あるいは多極構造のどちらにおいても、米国と対等な役割を担う方向に向かっていると信じていることだけは確かだ。中国人の中には、新しい国際秩序は中国が提唱する「一帯一路」にみてとれると考える人もいる。一帯一路は中国による交通網や技術およびエネルギー面の社会整備という巨大システムを通じて、中国とその他の世界を結ぶという構想だ(もっとも南北米州はあまりつながらないだろうが)。中国のソフトパワーもこの「一帯一路」を通じて(世界へ)流れ込んでいく。

また、米国と中国が世界の二大大国という前提に基づき、もっとはっきりと世界統治の対極構造と言い切る人もいる。この考え方は「G2」の対話とか、「大国間の新しい関係性」という見方に加え、「米中関係は世界で最重要の2国間関係である」という信念に起因している。オバマ政権は、中国の世界での役割や重要性が拡大しており、米中の協力がより広範な国際システムにとって非常に有益な力となるという点では同じ考えだ。しかし、中国が米国と対等なパワーをもつという考えや、中国国内外での中国の優先順位を考慮にいれると、いまこの重大な時期に必然的に正しいことだという意見は、米国は受け入れていない。

2)中国の政治体制の尊重:中国の政府関係者は米国が中国の政治体制や共産党による統率力の弱体化を狙っているとして、懸念を抱き続けている。公式非公式問わず、米国にはそのような意図はないが、米国の政策上、中国の政治体制をどの程度焦点とすべきかは、米国内でも重要な論争のポイントといっていいだろう。もちろん、米国社会は総じて、中国が透明性の拡大や法による統治、政府の説明責任といった枠組みで政治改革が前進するかに注目している。こうした点が前進すれば、中国政府にとって国益にかなうだけでなく、米国の実業界やその他の中国政府と深く関わっている人たちの利益にもなる。

同時に、米調査機関ピュー・リサーチ・センターが最近実施した調査も示す通り、米国の政府関係者は国内世論と同じように、さらなる改革を期待している。具体的には、中国政府が政治に関する多様な意見を受け入れ、市民社会では遠慮なく物が言えるようになり、開かれたメディアを持つといったことだ。このように、米国は共産党の打倒を目指しているのではなく、もっと実質的な中国の政治改革に関心を寄せている人が多い。

3)中国の安全保障の優先順位の受容:過去数年の間で、米中間で急速に大きな懸案として浮上しているのは東シナ海および南シナ海における安全保障上の課題だ。中国の複数の安全保障アナリストは、米国について以下のように論じている。

・中国が主権を有する領域に対して行う正当な主張を認識しない。

・他国のすでに実施していること以上には中国がしていない状況でも、領域に関する論争が起きると、同盟国やその他の米国寄りの国々の肩をもつ。

・同盟各国の悪意ある行動を助長しているか、自らが(こうした国々に)利用されているか、どちらかの状態である。

私は最初と3番目は却下するが、2番目については同感だと言わざるを得ない。つまり、中国の主張が、南シナ海で他の関係各国が岩礁の埋め立てに乗り出していることや、東シナ海で他の関係各国が防空識別圏(ADIZ)を宣言したことなどを指しているのであれば、中国政府の言っていることは正しい。

2番目の問題に対する米国の反応は、そのプロセスに注目する傾向がある。中国は一方的にADIZを宣言するのではなく、もっと穏便に議論すべきだったとか、中国による埋め立ては規模もスピードも、他のどの国もはるかにしのいでいる(実際、他の国々の開拓を足し合わせた規模を超えている)といった具合だ。しかし、この議論は問題の本質に向き合っていない。より適切で効果的な対応とは、地域(の各国)が埋め立てを凍結し、共同で行動ルールを話し合う席につくべきだという米国の提案を繰り返し主張することだ。粛々と提案に従うか、これは米国には関係ないことだと主張するか。残念ながら、中国はここで失敗する。

米の要望も通らない

もちろん、習・オバマ首脳会談は中国の思惑通りに進まないだけでなく、米国ビジネスを標的にしたサイバー攻撃の停止や南シナ海の領海に関する主張を中国が軟化させるという合意、NGO法案の廃案といった米国の要望も通らないだろう。結局、首脳会談はこれまでの他の会談と大して変わらない成果に終わるとみられる。

いくつかの懸案で少し進展がみられるか、うまくいって重要な懸案も前進するか、といったところだ。中国と米国の価値観や優先順位には根本的に大きな隔たりがあることを考えれば、それでも悪くない結果だし、いま望める最大公約数だといえるだろう。

By Elizabeth Economy, Contributor

(2015年9月11日 Forbes.com)

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