米フォード、EVに5400億円 集中投資で開発強化
【ニューヨーク=中西豊紀】米フォード・モーターは2020年までに45億ドル(約5400億円)を電気自動車(EV)の開発に集中投資する。燃費規制が欧米で厳しくなるなか、エンジンでなく電気モーターで走る車の技術水準を引き上げる。20年には販売する車の40%をハイブリッド車(HV)を含めたモーター駆動の車にする方針だ。
フォードのEV分野への投資としては過去最大規模という。手始めに16年後半にEV「フォーカス」の次期モデルを発売する。航続距離は約160キロメートルで、30分で電池の約8割を高速充電することが可能だ。さらに20年までに新たに13車種のHVや充電可能なHV(PHV)、EVを製品化する。
車の投入先は米国や欧州のほか、今後EV分野の市場拡大が見込める台湾や韓国、中国といったアジア地域を想定している。特に中国は大気汚染が深刻で、排ガスを出さないEVには政府の手厚い補助金が付く。フォードは13年までピックアップトラック向けHVの開発をトヨタ自動車と進めてきたが、今回は自前で対応するもようだ。
米自動車大手ではゼネラル・モーターズ(GM)が韓国LGグループと提携してEV事業を強化している。
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