パナソニックなど、東北大と共同出資会社 省エネ合金を量産
パナソニックやアルプス電気など5社と東北大学は20日、共同出資会社を設立したと発表した。東北大が開発した、家電などの省エネ性能を大幅に高める特殊な合金を量産し、出資した各社などに供給する。売上高は2020年度に10億円を見込み、26年度以降に数百億円規模をめざす。
東北大の里見進総長や、アルプス電気の栗山年弘社長ら5社の幹部が仙台市で記者会見した。
新会社は「東北マグネット インスティテュート」。本社は仙台市の東北大のキャンパス内に置く。出資金は6億円。出資比率は東北大のファンドが過半、残りをパナソニック、アルプス電気、村田製作所、JFEスチール、NECトーキンの5社が等分する。社長にはアルプス電気からの出向者が就いた。
東北大・金属材料研究所の牧野彰宏教授が開発した特殊合金「ナノメット」を量産する。生産拠点はパナソニックやアルプス電気が仙台市やその周辺に持つ拠点内に置くことを検討している。
ナノメットをモーターなどの素材に使えば省エネ性能を大幅に高められるという。パナソニックはナノメットを使った家電用モーターを既に試作しており、電力損失を従来品から約7割減らした。18年にも自社の家電製品に搭載する方針だ。各社はナノメットを自社製品に組み込み、省エネ競争で優位に立ちたい考えだ。
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