G20首脳会議「温暖化対策の進展歓迎」 COP21の成功後押し
【アンタルヤ=原田逸策】20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)は15日午後(日本時間同日夜)の討議で、地球温暖化対策の新たな国際枠組みを巡る議論が進んでいることを歓迎した。16日に出す首脳宣言では、11月末からパリで開く第21回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)の成功を後押しするメッセージを盛り込む。
地球温暖化対策では京都議定書に代わる、2020年以降の新たな国際枠組みを巡る議論が本格化している。すでに約160カ国が温暖化ガスの削減目標を提出した。安倍晋三首相は首脳会議で「パリ合意に向けた大きな前進だ」と評価。多くの首脳も「(パリでテロが起きた)このような時だからこそCOP21に成功をもたらそう」と決意を示した。
ただ、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によると、温暖化のリスクを減らすには産業革命前からの気温上昇を2度未満に抑えることが必要。約160カ国の削減目標では足りない。
COP21では各国が追加削減を迫られるが、意見にはなお隔たりがある。首脳会議でも先進国首脳は「野心的な削減目標を立てるべきだ」と主張したのに対し、新興国からは「先進国の資金や技術の支援が欠かせない」との主張が目立った。