米でビットコイン取引所に初の「銀行」免許
米ニューヨーク州の金融サービス局(NYDFS)は7日、仮想通貨ビットコインを扱う取引所「イットビット(itBit)」に免許を交付した。これにより、イットビットは米国で広く事業を展開できるようになる。
米ニューヨーク・タイムズ紙の報道によると、イットビットはNYDFSからの免許取得に加え、2500万ドル規模の資金調達計画も発表する。
イットビットは今回の「銀行免許」の取得に伴い、銀行と同様の業務が可能になる。だからといって、指針がない状態で事業を運営している他のビットコイン業者をこれまで作り出してきた混乱が解消されるわけではない。
ビットコイン向けの免許はまだ
NYDFSのベン・ロースキー局長は「われわれは消費者を保護し、仮想通貨を扱う業者に明確な規制基準を提供するため、規則の導入に向けて迅速かつ慎重に動こうとしてきた。ビットコインなどの仮想通貨を支える技術は非常に有望なため、適切な規則を定めて顧客の資金を守ることが肝心だ。実際、仮想通貨業界の長期的な健全性と発展にとっても、結局は規制が重要になると確信している」と、あらかじめ用意された声明で述べた。
ビットコイン取引所が米国で法的認可を受けたのは今回が初めて。ビットコイン業者とニューヨーク州の規制当局はこの1年間、仮想通貨事業の規制の枠組みを策定するために協力してきたが、正式な規則はまだ具体化していない。
NYDFSは2014年7月にビットコインの規制案をまとめ、規制に従う業者に対して「ビットライセンス」を交付する構想を発表。今年1月までこの案について意見を公募していた。
イットビットが今回取得したのは、このビットライセンスではなく、伝統的に銀行に交付されている免許で、非常に厳しい指針が定められている。NYDFSは間もなくビットコイン業者向けの指針を明らかにする見通し。そうなれば、仮想通貨を扱う業者が置かれている法的に曖昧な状況が大きく改善する可能性がある。
一例を挙げると、米財務省はつい先週、仮想通貨および決済サービスであるリップルの仕組みをつくっているリップルラボに対し、事業登録を怠り、マネーロンダリング(資金洗浄)防止規約を定めていなかったとして罰金70万ドルを科した。
By Ruth Reader
(最新テクノロジーを扱う米国のオンライン・メディア「ベンチャー・ビート」から転載)