潜水艦受注へ豪で初の説明会 三菱重工など、現地建造検討
【アデレード=高橋香織】オーストラリアが調達する次期潜水艦の受注をめざし、三菱重工業などと日本政府は26日、豪州南部のアデレードで防衛産業の関係者向けに初の説明会を開いた。官民合同チームを率いる斎藤隆防衛省顧問は豪政府が求める現地生産について「真剣に検討している」と述べ、現地の雇用に配慮する姿勢を強調した。
豪政府は日本とドイツ、フランスのいずれかを共同開発・生産の相手に選び、8~12隻の潜水艦を調達する。予算は500億豪ドル(約4兆2000億円)と豪史上最大の防衛調達となる。日本は「そうりゅう」型を基にした潜水艦の共同開発を提案している。
競合する独仏防衛大手は2カ月以上前から同様の説明会を開いており、日本勢は後れを取っていた。産業側のとりまとめ役である三菱重工が20日、アデレードに事務所を開いたのに続き、現地での説明会も開催。受注体制を整えるため特別目的会社(SPC)の設立など窓口の一本化も検討し、巻き返しを図る。
説明会には豪州各地から防衛産業の関係者100人以上が参加し、関心の高さを示した。日独仏の3カ国は11月末までにコストや工期などの提案を豪政府に提出する。