旭化成、絶縁材の生産能力2割増　リチウムイオン電池向け

旭化成は28日、リチウムイオン電池向けセパレーター（絶縁材）の生産能力を約2割増やし、年5億5000万平方メートルに引き上げると発表した。約50億円を投じて宮崎県日向市に生産ラインを新設し、既存設備の生産性向上にも取り組む。スマートフォンなど民生用電子機器や自動車向けの需要増加に対応する。

新設する生産ラインの年産能力は6000万平方メートルで、2016年春の稼働を目指す。既存設備の生産性向上策は宮崎県や滋賀県の工場などで進め、約3500万平方メートルの能力増強を見込む。

約2600億円を投じて8月に買収した米ポリポア・インターナショナルの絶縁材の生産能力についても同日発表した。米国と韓国の生産拠点の生産能力は合計で年2億平方メートル。買収前の旭化成の能力は年2億5500万平方メートルだった。絶縁材は正極材と負極材、電解液と並ぶリチウムイオン電池の主要部材のひとつだ。