米、原油安でもシェール開発続く リグ稼働数が5週連続増
【ニューヨーク=稲井創一】原油掘削で使用する装置(リグ)の稼働数が米国で5週連続で増えた。原油先物の指標油種が1バレル40ドル台に落ちこんでも、米シェール企業が開発に取り組んでいる実態を裏付けた。
米石油サービス大手、ベーカー・ヒューズが21日発表した米原油生産のリグ数は674基となり前週末に比べて2基増えた。原油価格が下げ足を速めるなかで、予想外のリグ増を受け、原油の供給過剰の状態が長引くとの観測が広がった。
シェールの生産コストは1バレル40~80ドルといわれる。シェール各社は生産性の向上を進めているとはいえ、足元の1バレル40ドル近辺の原油価格は大半の鉱区で採算割れになっている可能性が高い。今回リグが増えた鉱区は格段に生産コストの低い最優良の部類に入るものとみられる。
原油価格は下値のメドがみえず、シェール企業の多くが資金繰りの悪化を懸念して現金確保を急いでいる。虎の子の最優良油井を原油安下で開発せざるを得ないシェール企業の存在がうかがえる。米原油リグ数は2014年10月10日発表の1609基をピークに減ってきたが、15年6月26日の628基を底に緩やかな上昇基調に転じていた。