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フランス、原発輸出に力 電力公社がアレバ原子炉部門取得

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【パリ=竹内康雄】フランス政府が国内の原子力発電を縮小し、国外輸出に力を入れる方針にかじを切った。国内の原発を減らす法律が22日に成立したほか、30日には仏電力公社(EDF)が原子力大手アレバの原子炉部門の経営権を取得すると発表した。原発輸出の司令塔をEDFに一本化し、原発導入を予定する新興国を中心に効率の良い売り込みを狙う。

EDFとアレバは30日、1~6月期の決算発表に合わせて資本協力の枠組みを公表した。EDFがアレバの原子炉部門(アレバNP)の過半数の株式を取得する。比率は51~75%と固まっておらず、EDFのレビ最高経営責任者(CEO)は電話会見で「(株式取得の)パートナーを見つけたい」と述べた。

出資企業が見つかればEDFの出資比率は51%になる。レビCEOは「複数の企業が関心を示しており、今後議論していきたい」と述べた。仏メディアでは日中の企業が候補として取り沙汰されている。アレバはNPの株式を最大25%保有する。EDFによるとNPの価値は約27億ユーロ。2016年中に手続きを完了させたい意向だ。

EDFによるアレバNP買収はアレバ救済の意味合いが強い。フィンランドなどで建設中の最新鋭の欧州加圧水型炉(EPR)にトラブルが続出したほか、日本の原発停止による燃料販売が打撃を受け、アレバは14年まで4期連続の最終赤字を計上した。同社は30日、「17年までに70億ユーロが必要」と明らかにした。資産売却を進める一方、アレバの大株主である仏政府が9月にも資本注入に向けた検討を始める。

両社は実質的な国営企業。仏原子力産業を事実上、EDFに一本化する措置は仏政府が主導した。EDFが原発建設から運営まで手掛けることで国外輸出に弾みをつける狙いがある。両社は新型炉をつくる新会社を共同出資して近く設立することでも合意した。アレバは既に三菱重工と中型炉で、中国企業とは大型炉の研究で提携している。EDFは「日中の企業との協力を続けながら、国外輸出に向けて競争力のある原子炉をつくる」と表明した。

仏国内の原子力関連の雇用は周辺産業も含めると約40万人とされる。仏政府は雇用を守るためにも、新興国への原発輸出に活路を求める構えだ。22日には仏国内の原発依存度を25年までに75%から50%に引き下げる法案が成立。原発新設計画はあるが、国内市場の大きな成長はもはや見込めない。

国際エネルギー機関(IEA)によると、世界の原発の設備容量は40年に13年比60%増の624ギガワットになる見通しだ。中国やインドなど新興国がけん引する。オランド政権は原発の国外への売り込みを強化し、原発産業の維持につなげる。

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