20代の3割 「死後もSNSやブログを残してほしい」
ネット調査から
自分の死後、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)やブログの書き込みをどうしてほしいか。インターネットを通じて全国の20~60代の男女に聞いた結果、「すべて削除してほしい」と答えた人が46.4%と最も多かった。「ネット上に残し、自分のことを思い出す頼りにしてほしい」と答えた人は19.2%にとどまる。「その他」(2.2%)を除く残りの32.2%は「SNSやブログは利用していない」。ただ、年代によって考え方が異なる。20代に限れば、SNSやブログを死後も残してほしいと考える人が30%に達し、ネットをよすがに自分のことを思い出してほしいと考える人が全体の平均より多い。
すでに亡くなった友人・知人や芸能人など、故人が残したネット上のSNSやブログの書き込みを見たことがあるかどうか聞いてみると「見たことがある」人が20.7%いた。年代別にみると、ここでも20代女性に限れば「見たことがある」という答えが41%、30代女性でも31%に達している。
本人が亡くなった後もインターネット上の書き込みがいつまでも残ることについては、どう感じるか。尋ねてみると「別に何とも思わない」が53.2%と最も多く、「故人を思い出すことができるので良い」と肯定する人が23%。「気味が悪い」と否定的にとらえる人は18.3%と少数派だった。「故人を思い出すことができるので良い」と感じる人の比率は20代女性で40%、30代女性も35%と高くなっており、やはり若い女性で肯定的な受け止めが目立った。若い世代にとってネット空間が新たな追悼の場として根付きはじめているようだ。
いまや紙の書類でなくネット上やパソコン内に個人情報を保管する人は多い。ネット銀行やネット証券などに通帳(紙の記録)がない口座を「持っている」と答えた人が56%と、半数を超えた。自分が死んだ後、家族や友人に見られては困る文章や写真などのデータをパソコン内やインターネット上に持っているかどうかという問いには「持っている」が35.3%。見られては困る情報を持っている割合は男女で差があり、男性は44.2%に対して女性は26.4%だった。
自分が死んだ後に備えて、インターネット上やパソコン内にある自分のデータをあらかじめ処分したり家族に引き継いだりする「IT終活」を「考えたことがある」人は26.4%と少ない。「考えたことがある」と答えた人に、具体的に何かしていることがあるかどうか複数回答で聞くと「死後に家族に見られて困る情報は残さないようにしている」(17%)、「データの処分やパスワードについて家族や友人に伝えている」(15.2%)、「ネット銀行・証券口座の所在などについて家族に伝えている」(14%)などを選んだ人が比較的多かった。「とくに何もしていないが、これからするつもりだ」という人も59.1%おり、今後、IT終活に取り組む人が増えそうだ。
一方、IT終活を「考えたことがない」と答えた人にその理由を聞いたところ、「まだ自分の死を現実的なものとして考えていないから」が54.5%で最多。次いで「こうした問題に関心がなく、思いつかなかった」が35.1%だった。「見られては困る情報は持っていないから」が28.3%で、IT終活が必要ないと割り切る人は少なく、これから関心が高まるかもしれない。
この調査は楽天リサーチを通じて8月20~21日、全国の20~60代の男女1000人を対象に実施した。