李香蘭の未発表曲、発見 戦時中に録音した2曲
女優、歌手として国際的に活躍し、昨年9月に死去した元参院議員の山口淑子さんの未発表曲2曲が収録されたレコードが発見されたことが11日、分かった。「李香蘭」の名で活躍していた第2次世界大戦中に、東京都内で録音された音源で、日本コロムビアが29日に発売するCD「伝説の歌姫 李香蘭の世界」に収録される。
見つかったのは、いずれも大木惇夫作詞、古賀政男作曲の「雲のふるさと」と「月のしづく」。同社の記録によると、1944年11月に都内のスタジオで録音されたテスト盤という。「古賀政男音楽博物館」(東京都渋谷区)が保管していた古賀の遺品から見つかり、今年1月、山口さんが李香蘭時代に歌った音源であることを同社が確認した。
未発表となった理由は不明だが、「雲のふるさと」については同社の記録に「作詩不良の為発売不能」と書かれていた。この曲には戦地へ赴く兵士の思いを歌う「故しらず 涙落つるを」という歌詞が含まれており、日本コロムビアの担当者は「戦時中にはそぐわない歌詞として、発売を自粛したか、国や軍部に止められた可能性もある」と推測している。〔共同〕