ブルトレ「北斗星」、最終列車が札幌出発
最後のブルートレインとして知られる寝台特急「北斗星」(上野―札幌)の最終列車が22日、JR札幌駅を出発した。約17時間かけて23日午前9時25分、上野駅に到着する予定だ。北斗星の引退により、青い車両で親しまれた寝台特急、ブルートレインは約60年の歴史に幕を下ろす。
予定出発時刻の午後4時12分から少し遅れて、「ピーッ」という汽笛の音とともに列車が動き出した。ファンは割れるような拍手と「ありがとう」の言葉で見送った。
出発の1時間以上前から、札幌駅のホームはお別れのメッセージを記した手製のパネルや記念グッズ、カメラを手にした多くのファンでごった返した。混乱を防ぐため、北斗星の乗客用にホームには専用レーンが設けられた。
レーンで乗車を待ち遠しそうに並んでいた宮嶋太雅(17)さんは「お小遣いをためて最終列車の切符を買いました」とはにかんだ。1カ月前の販売開始日の午前5時、地元の新潟県でJR駅の窓口に並び、友人の分と計2枚の切符を購入した。「夜のパブタイムが楽しみ」だとか。走るレストランともいえる食堂車「グランシャリオ」は予約制だが、ディナータイム終了後はパブタイムとして予約なしで楽しめる。
1988年の青函トンネル開業に合わせて運行が始まった北斗星は、シャワー付きの個室などの豪華な客車などが人気を博した。しかし、利用減少や車両の老朽化、2016年3月の北海道新幹線開業のための準備を理由に15年3月に定期運行を終了。4月からは臨時列車として週3往復程度運行していた。