死者2200人超す ネパール大地震、不明者捜索続く
【カトマンズ=共同】ネパール大地震の死者は26日、同国内で2152人に達し、近隣国と合わせ計2200人超が犠牲となった。同国のメディアが報じた。ネパールだけで約5千人が負傷し、政府は首都カトマンズなどで行方不明者の捜索を続行。インドと中国の救援隊が現地に到着、日本や米国も救助チームの派遣を決め国際支援の動きが本格化した。
日本の旅行会社などによると、神奈川県の1人の消息が分からず、新たに群馬県の60代男性と連絡が取れなくなっていることが判明。旅行会社や在ネパール日本大使館が確認を急いでいる。
地震後に安否不明だった日本のトレッキングツアー客らのうち、別の群馬県の1人を含む石川、兵庫両県の計5人の無事を確認。千葉県の1人もフェイスブックに「大丈夫」と書き込んだ。
ロイター通信によると、地震後に雪崩が起きたエベレストでは17人の遺体が収容され、世界最高峰での過去最悪の惨事となった。国籍は不明。エベレストからは救援機で負傷者が搬送された。
26日もマグニチュード(M)6.7の余震があり、エベレストで新たな雪崩が起きた。近隣国の犠牲者はインドで53人、中国で17人、バングラデシュで3人となった。
カトマンズなどでは通信、交通インフラが寸断されており、被害状況の把握にはなお時間がかかる見込み。歴史的建造物など多くの建物が倒壊したため救助活動は難航している。余震も続いており、25日夜は多くの人々が屋外で過ごした。
ネパールで約80年ぶりの大規模な地震災害を受け、米政府は救助隊派遣のほか、緊急措置で100万ドル(約1億2千万円)の資金拠出も決定。英国、ドイツ、イタリアなども支援を表明した。
ネパールには日本人約千人が在住。観光シーズンに入り、旅行者やトレッキング客も多数滞在しているとみられる。