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EVの革命児テスラ、工場の主役はロボット

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電気自動車(EV)でクルマ革命を仕掛ける米テスラ・モーターズ。かつてゼネラル・モーターズ(GM)とトヨタ自動車が合弁生産していた工場を買収し、革新的な車づくりを進めている。パナソニックも車載用電池事業の命運を賭ける。米西海岸のテスラの工場を歩いた。

動く台を駆使

「こちらがアイスマン、あれがビースト」。カリフォルニア州フリーモントにあるテスラのEV工場。映画「X―メン」に登場するヒーローの名称で呼ばれる8台の大型ロボットが上下し、休みなく動いている。

世界最高精度とされる大型ロボットが持ち上げるのは組み立て中のEVの車体だ。一体がクレーンのように車体を持ち上げれば、もう一体はモーターなど重量の大きい部品を組み付ける力仕事に回る。作業が終わると残りの一体が再び車を持ち上げ、レーンに戻す。

一般的な車の組み立てはリフトなどで車体を持ち上げるが、テスラの工場ではこうした上げ下げの大半をロボットが担う。一見効率が悪いように見えるが「ロボットが動きやすくなるほど1台でできる仕事が増え、組み立て時間も短縮できる」(プログラムマネジャーのアダム・スラッサー氏)。工程が増えればロボットのプログラムや配置を変更するだけだ。

さらに驚くのはベルトコンベヤーがないことだ。通常、車の生産はベルトコンベヤーの上を一定間隔で車が流れ、その間にロボットや人が入り、エンジンなどを休みなく組み付ける。

テスラは前身の工場を買い取った際、真っ先にベルトコンベヤーを取り外した。代わりに車を運ぶのは「動く台」。台は白色の床に敷き詰められた磁石の黒い線に沿って動く。変更するときは、磁石の線を張り替えるだけ。ベルトコンベヤーの場合は一度設けると変更が難しく固定費がかさむ。テスラは「ロボット」と「動く台」を駆使し、投資がかからない可変的なラインを生み出した。

50万平方メートルにおよぶ広大な敷地にそびえるテスラの工場は、シリコンバレーに近い立地にある。2010年まではGMとトヨタの合弁会社「NUMMI」の工場だった。日米の巨人が握手した象徴的な存在で、トヨタ社長の豊田章男氏が勤務した経験もある。ピーク時は年50万台を生産したが、GMの経営破綻などを経て閉鎖。テスラが買い取り、12年10月にEV工場となった。

テスラの年間生産台数は3万5千台程度。いまも工場の敷地はすべて使い切れていないが、将来的には年50万台のEVを生産したいという。

日本人の知恵生かす

実はこの工場には日本人の知恵も生かされている。テスラの最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスク氏はネット業界の起業家。「当時は製造業に精通した人間が全くいなかった」(同社)ため、NUMMIの社員をコンサルタントとして一時的に雇用した。現在もNUMMIにいた従業員の一部が働いている。

ロボットラインも別の会社から引き抜いた一人の日本人の発想から生まれた。どの工場でも使う汎用的なロボットをテスラ流に配置してプログラムする工程などをアドバイスしたという。チーフデザイナーもマツダに在籍経験がある。

 昨年9月、テスラはEV「モデルS」などの増産に備えてラインを刷新した。最も手をかけたのが8台のヒーローロボットが稼働する環境だ。頭上にあった鉄や機械を撤去し、ロボットが動き回りやすいレイアウトに変えた。部品の取り付けにかかる時間も従来の4分から2分に短縮した。

新しい車種も同じスピードで作業ができるようにするため、ロボットのデータはスマートフォンのアプリのように定期的に更新する。従来の車工場のように投資ありきの考え方は前提にない。

アダム氏はテスラが新しい生産方式を容易に導入できた理由の一つに、EVに特徴的な部品の少なさや簡素な設計を挙げる。エンジンを駆動源にした車の組み立てはエンジン回りだけで万単位の部品が必要だが、モーターと電池で動くテスラのEVでは17部品程度で済む。電池以外の部品もほぼ内製という。

もっとも経営環境は厳しい。通常自動車メーカーが採算ラインとする1工場あたりの年産規模は20万台。テスラは15年末に5割増の5万台まで増やすが、投資先行で赤字が続く。成長戦略の要となるのが電池を供給するパナソニックだ。

13日、デトロイトモーターショーに登壇したマスク氏は「パナソニックとは良好な関係だ」と強調、同社と協調してEV事業を拡大する。パナソニックとは20年までに50億ドル(約5000億円)を投じ、ネバダ州に大規模電池工場を建設中だ。EVの革命児は自動車の新世紀をひらくのか。次は5年後にこの工場を訪ねてみたい。

(カリフォルニア州フリーモントで 川上梓)

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