スマホに鼻歌、気軽に作曲 上級者にはシンセのアプリも
「カラオケは好きだけど楽器はできない。ただの鼻歌がすぐに本格的な曲になるのでうれしい」。都内に住む会社員の女性(28)はスマートフォン(スマホ)を片手に笑顔を見せた。
ダウンロード数1位

この女性が散歩中や自宅で愛用しているのは、カシオ計算機が米アップルのスマホ「iPhone」向けに提供している「Chordana Composer(コーダナ・コンポーザー)」(600円)だ。作曲経験のない初心者の心をつかみ、国内の有料音楽アプリの分野では、配信初日の1月30日から11日連続でダウンロード件数1位に輝いた。
人気の理由は音楽の知識が何一ついらない手軽さだ。アプリを起動させて2小節分の鼻歌や口笛を録音すると、3~12分程度をまるごと自動的に追加作曲してくれる。「ポップス」や「ロック」など5種類のジャンルを選べるほか、「バラード」など3種類の曲調も指定でき、好みに合わせた曲に仕上がる。自分でふき込んだ部分は、そのままメロディーの一部などに使われる。
録音しなくても画面の鍵盤を弾いたり、画面の五線譜上に音符を配置したりしてもいい。できた曲は電子楽器と連携させることもできる。保存してメールで送れるほか、ネット上に公開することも可能だ。
手軽に楽しめることが受け、米アップルのアプリ配信サイト「アップストア」内の全有料アプリランキングで最高2位を獲得した。「『このアプリで作曲したいのでスマホを買った』という年配者の声もある」(カシオ)という。
自己流にこだわりたい上級者向けは、ヤマハがタブレット(多機能携帯端末)「iPad」とiPhone向けに提供するアプリ「Mobile Music Sequencer(モバイル・ミュージック・シーケンサー)」(1900円)だ。
382種のメロディー内蔵
内蔵している382種類のメロディーを自由につなぎ合わせて楽曲を制作できる。92種類の音色を持つソフトウエアシンセサイザーを内蔵し、こだわりの音色を奏でる。

実際の音を聞きながら制作するため、曲のイメージが膨らむ。画面上の鍵盤を用いて録音もできる。アプリ内から直接、複数の音色やフレーズを追加購入できるため、飽きずに繰り返し楽しめそうだ。制作した楽曲が気に入れば、パソコン用のファイルとして出力することで、別の機器や音楽制作ソフトウエアで編集してより緻密に仕上げられる。
楽器メーカーのコルグ(東京都稲城市)はダンスミュージックを制作できる「iPad」専用アプリ「KORG Gadget(コルグ・ガジェット)」(4800円)を提供している。「オールインワン音楽制作スタジオアプリ」とうたい、15個のシンセサイザーとドラムマシンが、ダンスミュージックなどの電子音楽を作ってくれる。
楽器の演奏ができなくても、音を外さないキーボードなどを使えるため、音楽の知識はほとんど必要ないという。
作曲アプリは初心者向けからアレンジ豊富なものまで幅広くそろう。ふとメロディーが思い浮かんだ時にアプリを使って命を吹き込めば、あなたも立派な「作曲家」だ。
(企業報道部 中藤玲)
[日本経済新聞夕刊2015年4月23日付]
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