「イスラム国」参加企てか 北大生「戦闘員として」
警視庁任意聴取
イラクやシリアで勢力を伸ばす過激派「イスラム国」に戦闘員として参加する目的でシリアへの渡航を計画したとして、警視庁公安部は6日、刑法の私戦予備・陰謀容疑で、北海道大生の男(26)から任意で事情を聴くとともに、東京都杉並区の宿泊先など都内の関係先数カ所を家宅捜索した。イスラム国への参加を図った日本人の動きが明らかになったのは初めて。
ほかにも複数の日本人が渡航を計画していたという。公安部は、男とは別の日本人がイスラム国への参加を呼びかけたとみて詳しい経緯を調べている。
捜査関係者によると、男は日本人のイスラム教徒で休学中。公安部の事情聴取に「シリアに入ってイスラム国に加わり、戦闘員として働くつもりだった」などと話しているという。
男の捜索容疑は、シリアの反政府武装組織に戦闘員として加わることを目的に海外渡航を企てた疑い。
捜査関係者の話では、男は東京都千代田区の古書店内に貼られたシリアへの渡航の呼びかけに応募、周辺国からの不法入国を計画していたとみられ、シリア周辺国への航空券も購入していたという。
貼り紙は今年5月ごろから古書店内にあったほか、インターネット上にも転載されていた。ほかにも複数の日本人が応募していたといい、公安部は男を含め、応募した日本人の旅券を押収した。これまでの調べでは、シリアへの入国が確認された応募者はいない。
捜査関係者によると、貼り紙を張り出したのはシリアに渡航歴のある日本人男性で、イスラム国の関係者とも接触していたという。