断層のずれ、4メートル超 ネパール大地震で東大解析
ネパールの大地震で、東京大地震研究所は27日、地震を起こした断層面は最大4.3メートルずれたと推定されると発表した。断層面は東西に約165キロ、南北に105キロと広範囲で、直上に首都カトマンズが位置していた。同研究所の纐纈(こうけつ)一起教授(地震学)は「このことが大きな被害につながったとみられる」と話している。
筑波大の八木勇治准教授(固体地球物理学)も詳細な分析を行い、断層面は東西約150キロ、南北120キロ、最大のずれは4.1メートルと推定した。
地震のあった地域は、ユーラシアプレート(岩板)の下にインド・オーストラリアプレートが沈み込む構造。纐纈教授によると、南から北に向かうインド・オーストラリアプレートとユーラシアプレートの間に押す力が働き、断層面を境に壊れた。この結果、北側の地盤が南側に乗り上げたとみられる。
ネパール地質学会名誉会員の在田一則・元北海道大教授(地質学)によると、ネパールでは地滑りによって傾斜が緩やかになった山の斜面に住む人が多い。そういった場所は地震で地滑りが再発している恐れもあり、被害の拡大が懸念される。
また、雪崩があった地域では数多くの湖に雪が流れ込み水位が急激に上がっていると想定され、水害への警戒も必要としている。〔共同〕