米、普天間移設「計画は予定通り進むと理解」
【ワシントン=吉野直也】米国務省のハーフ副報道官は23日の記者会見で、沖縄県の米軍普天間基地の移設について「計画は予定通りに進むと理解している」と表明した。沖縄県の翁長雄志知事が名護市辺野古沿岸部への移設に向けた海底作業停止を指示したことに関する質問に答えた。一方、沖縄防衛局は移設作業を巡る手続きに瑕疵(かし)はないとして24日も作業を続けた。
ハーフ氏は普天間基地の移設がサンゴ礁など環境に与える影響について「米政府に懸念はない」と言明した。同時に「代替施設の建設は普天間基地の移設への重要な一歩だ」と強調した。「沖縄で最も人口が集中する地域から(基地を)移し、大規模な土地の返還ができるようになる」とも語った。
普天間基地の移設は「日米両政府の長年の意味ある調整の結果だ」と指摘した。
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沖縄防衛局は24日も海底ボーリング(掘削)調査など移設作業を続けた。翁長氏は作業の停止指示に従わない場合は岩礁破砕許可を取り消すとしており、許可が取り消される公算が大きくなった。政府は法廷闘争も辞さない構えだ。防衛局は同日、コンクリート製ブロック設置に県の許可は必要ないとの立場を説明する文書を県の担当部署に提出した。
菅義偉官房長官は24日の閣議後の記者会見で、「先方の協力が得られるなら(翁長氏の指示を巡る)文書の内容について県の担当者に確認するとともに説明したい」と述べ、沖縄防衛局を通じて沖縄県側の理解を求めていく考えを改めて示した。移設工事については「現時点において中止すべき理由は見当たらない」と述べた。
中谷元・防衛相は翁長氏が問題視している移設作業を巡る政府の手続きについて「何の瑕疵もあったとは思っていない」と強調した。県との対立が長引けば「時間、経費、労力が費やされ、普天間基地の危険性の除去が実現しなくなる」と懸念を示した。