パナソニック、介護施設を全国展開 19年3月までに200拠点
パナソニックは26日、ショートステイ(短期入所)や訪問介護など複数のサービスを1カ所で提供できる介護施設を全国展開すると発表した。2019年3月期までに現在の2拠点から200拠点に増やす。政府が在宅介護の普及を後押しし、地域ごとに多様な介護サービスの需要が高まっている。介護事業の新たな柱として収益源を多様にする。
同社はサービス付き高齢者住宅や有料老人ホーム、介護ショップ運営のほか、訪問介護や訪問入浴といったサービスを提供している。複合サービス施設の展開で弾みをつけ、19年3月期の介護関連事業の売上高目標を従来の500億円(14年3月期比9割増)から750億円に引き上げる。
3月1日に川崎市で複合サービス施設として2カ所目の「パナソニックエイジフリー登戸」を開所する。建物は2階建てで延べ床面積約983平方メートル。要介護者が数日程度宿泊してサービスを受けられるショートステイ、通所介護、訪問入浴など5つのサービスを提供する。1カ月に350人程度の利用を見込んでいる。
施設には使いやすさに配慮した介護用品や住設機器など自社製品を採用した。今後、同様の施設を東名阪を中心に展開する。26日に会見したパナソニックの和久定信ビジネスユニット長は「25年に要介護者の1割にサービスを提供できるようにしたい」と語った。
25年には団塊世代が75歳以上の後期高齢者となり、高齢者の人口比率が3割に達するとされる。厚生労働省は医療や介護のサービスを居住地の近隣で受けられるよう後押ししており、関連ビジネスが広がりそうだ。
関連企業・業界