福島第1の1号機、15日に建屋カバー解体再開 東電発表
東京電力は30日、福島第1原子力発電所1号機の原子炉建屋を覆うカバーの解体を5月15日に再開すると発表した。昨年10月に着手したが、他の工事と作業現場が重なるため冬に中断していた。放射性物質を含む粉じんなどが巻き上がらないよう、飛散防止剤をまいてから本格的な解体に取りかかる。
1号機は事故時に水素爆発が発生し、建屋が大破した。内部には汚染されたがれきが大量に残っている。東電は1年半程度かけてカバーを解体した後、がれきを撤去し、貯蔵プールの使用済み核燃料を取り出す計画だ。
一方、東電は30日から非公表だった福島第1原発の放射線データの公開をホームページで始めた。2月に放射性物質を含む雨水が長期にわたって港湾外に流出していたことが発覚し、情報公開を求める声が高まったことに対応する。今後、データの充実を図る。
30日は汚染水対策の柱と位置づける「凍土壁」の稼働に向け、1~4号機周辺の土を試験的に凍らせる作業も開始。凍土壁は汚染水の発生源である地下水の流れの遮断が狙いで、試験を通じて凍結の進み具合や地下水への影響を確認する。