「ギリシャ新政権は合意順守を」 ユーロ圏財務相会合
債務削減は拒否意向
【アテネ=御調昌邦】ユーロ圏は26日、ブリュッセルで財務相会合を開き、ギリシャ問題を協議した。同会合のデイセルブルム議長(オランダ財務相)は記者会見で、ギリシャがユーロ圏への残留を望むことは「これまでの合意(の順守)が適用されることを意味する」と指摘した。ユーロ圏は債務削減など支援内容の大幅な変更は認めない方針を示した。
ギリシャでは25日の議会選で勝利した急進左派連合のチプラス党首が新首相に就任。同党は選挙戦でユーロ圏に残留しながら、財政緊縮策を撤回し、ユーロ圏や国際通貨基金(IMF)に債務削減などを求める考えを表明してきた。
デイセルブルム氏はギリシャの次期財務相候補と電話協議したことを明かし、ユーロ圏への残留などギリシャの新政権の基本的な意向を確認したとしている。「次の段階は固まっていない」とも述べ、本格的な協議はギリシャの新政権が明確な方針を決めた後になるとの見方を示した。
ロイター通信によると、ドイツのショイブレ財務相はギリシャ支援について「債務削減は問題外」と発言した。ユーロ圏高官によると、ギリシャへの融資期間の長期化や金利引き下げなどによって同国政府は既に年間87億ユーロ(約1兆2千億円)の恩恵を受けているという。
ユーロ圏は、ギリシャが財政再建路線を維持するなら、小幅な見直しは容認する可能性があるが、他の支援国にも影響しかねない債務削減は受け入れられないとの姿勢を強めている。