大塚家具、久美子社長側に経営権 株主総会で決定
親子間で経営権を巡る対立が続いていた大塚家具は、27日開いた定時株主総会で大塚久美子社長らを取締役に選任する会社提案を可決した。父親で創業者の筆頭株主、大塚勝久会長らを取締役に選任する株主提案は否決した。
午前10時から東京都江東区の本社で開いた株主総会は約3時間10分で終了した。出席者は前年の10倍程度の200人。16万5340の議決権行使数に対し、会社提案への賛成票が61%と過半を占めた。
久美子社長は「社員はつらい思いをし、お客様にも迷惑をかけた」と陳謝。自身を含め10人の取締役候補のうち過半数の6人(再任2人を含む)を社外取締役とする会社提案について「企業価値と株主共同の利益を高めることにつながる」と強調した。
一方、勝久会長は「今回の騒動は全て私の不徳の致すところ」とした上で「会社の復活は私にしかできない」と訴えたが及ばなかった。一般の株主からは「社員との十分な信頼関係はあるのか」「収益力を回復する道筋は」などの質問が出た。
両者は増配案でも対立していた。社長側は2015年12月期の配当について「前期比倍増の80円」とし、会長側は今後3年間「3倍の120円」とする方針を示していた。