ウィンドウズ10、指紋・虹彩の生体認証を搭載
【シリコンバレー=小川義也】米マイクロソフト(MS)は17日、次期基本ソフト(OS)「ウィンドウズ10」の発売時期を「今秋」から「今夏」に前倒しすると発表した。併せて、パスワードの代わりに指紋や瞳の虹彩などでログインする生体認証機能を標準搭載することも明らかにした。パスワード入力の安全性に懸念が強まる中、デジタル機器に生体認証を採用する動きが広がってきた。
発売時期の前倒しは、中国・深圳で開いた開発者会議でテリー・マイヤーソン上級副社長らが表明した。開発が順調に進んでいるうえ、今回はネット経由の無償配布が中心になるためという。
生体認証機能の「ウィンドウズ・ハロー」を利用するには、指紋を読み取るセンサーや赤外線センサーが端末に搭載されている必要がある。MSによると、米インテルの3次元カメラ「リアルセンス」を搭載したすべての端末がウィンドウズ・ハローに対応する。
利用者の生体情報は個人を特定しないかたちで端末に保存される。端末のロックを解除したり、ログインしたりする際に生体認証を使う。生体認証に対応した企業の情報システムにアクセスする際などにも利用できる。
デジタル機器の生体認証は、米アップルが13年にスマートフォンの「iPhone」で指紋認証を採用してから普及し始めた。韓国サムスン電子も昨年追随し、ログインだけでなく決済時の本人確認などにも使われている。富士通は瞳の虹彩で利用者を確認するスマホを年内に発売する。
ウィンドウズ10は昨年10月に企業のIT(情報技術)担当者向けの試験版を公開し、1月には個人向け機能の概要を公開していた。旧型OSの「ウィンドウズ7」と「同8.1」の利用者は無償で「10」に更新できる。