不当取引に勧告権限 電力市場監視の新組織
経済産業省は、電力市場の中立公正な取引を監視する「電力市場監視委員会」(仮称)に、電力会社の不当取引に業務改善の勧告ができる権限を持たせる。2016年4月の電力小売りの全面自由化を前に、大手電力と新規参入業者が健全に競争できる環境を整える狙いがある。
経産省が20日、自民党の会合で案を示した。監視委は年内にも発足する予定で、外部有識者5人で構成し、専属の事務局を設ける。国家行政組織法8条に基づく経産相直属の委員会とする方向で、今月召集の通常国会に設置に関する法案を提出する。
電力小売りの全面自由化で新規参入が増え、大手電力との競争で料金値下げやサービス向上が期待されている。ただ、大手電力が自社グループと他の企業を不当に差別して取引したり、小売会社が十分に説明せずに消費者と契約するケースが懸念されている。
経産省は、専門的な機関を設けることで電力市場の公正な取引を確保する。将来は、監視委がガスや熱供給市場も監視する役割を担う方向で検討している。