伊藤園が米コーヒー豆会社買収 100億円で、販路活用
伊藤園は25日、米国でコーヒー豆の生産・販売を手掛けるディスタント・ランズ・トレーディング(DLTC、デラウェア州)を買収すると発表した。買収額は約100億円で、2015年2月をめどに完了する。北米では健康志向から無糖の緑茶などの人気が高まっている。伊藤園はDLTCの販路を活用し、商品の販売を拡大する。
DLTCはテキサス州など米国2カ所にコーヒー豆の焙煎(ばいせん)工場を所有、コロンビアなど南米にもコーヒー農園や脱穀工場を持つ。コーヒー豆の栽培から加工、小売店や外食店への販売まで一貫して行っており、全米に販路を持つ。14年9月期の売上高は約193億円で、営業利益は約8000万円。
伊藤園は米国子会社を通じて15年2月までにファンドなどからDLTCの株式を取得し、完全子会社化する。同社を通じて小売店などの取引先を開拓し、「お~いお茶」や「ティーズティー」など茶飲料のほか、コーヒー飲料も新商品を投入するなどして強化する。
北米では健康志向の高まりに合わせてニューヨークなど大都市を中心に日本茶の人気が高まっており、伊藤園の北米事業は15年4月期の売上高が前期比9%増の約103億円の見込み。買収で事業拡大に弾みをつける。
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