認知症を認定、万引き男性無罪 地裁飯田支部判決
万引きしたとして窃盗罪に問われた男性(82)の裁判の判決で、長野地裁飯田支部(加藤員祥裁判官)が、認知症を理由に無罪を言い渡していたことが男性の弁護士への取材で分かった。地検飯田支部は懲役1年6月を求刑したが控訴せず、11月30日に無罪が確定している。
弁護士によると、男性は2011年に長野県飯田市のスーパーで食料品16点を万引きしたとして、12年1月に起訴された。判決では認知症のため、物を盗むという認識がなかったと認定された。
検察側は起訴前の簡易検査で認知症と判断しなかった。裁判中に実施された精神鑑定では、脳挫傷などを負ったことによる外傷性の認知症とされた。〔共同〕