大飯・高浜の周辺断層、連動めぐりなお溝 規制委と関電
原子力規制委員会は2日、審査会合を開き、関西電力の大飯原子力発電所(福井県)と高浜原子力発電所(同)の周辺で起こりうる地震の大きさについて議論した。規制委は両原発の敷地周辺にある3つの活断層が連動して大きな地震を起こすことを前提にするよう求めてきたが、関電は「連動しない」とする従来の主張を繰り返し、溝は埋まらないままだった。
大飯原発は施設の真下に活断層があるかどうかの問題が9月に決着し、保留扱いにされていた3、4号機の審査が再開したばかり。高浜3、4号機も津波対策が問題視され審査が遅れていた。周辺断層の連動問題が長引けば、審査がさらに長期化する可能性がある。
大飯、高浜原発の敷地の近くには3つの活断層が走っている。関西電力はこのうち2つが連動して地震を起こすことを前提に、起こりうる最大の地震動を算出し、施設の耐震評価をしている。規制委は3断層すべてが連動し、もっと大きな地震が起こる可能性も考慮するように審査の開始当初から求め続けてきた。
関電は同日の会合で、海上音波探査など追加の調査結果をもとに「断層間の距離が離れているので3つの連動まで考慮する必要はない」と改めて主張。ただ、規制委の島崎邦彦委員長代理は「データが不十分」と指摘して追加調査を求めた。
また同日の会合では、北海道電力の泊3号機(北海道)の真下に、地震の揺れを増幅するような特殊な地下構造がないかどうかも議論した。北海道電は「特殊な構造はない」と主張したが規制委側は納得せず、さらなる調査の実施を求めた。