米モンサント、気象情報会社を900億円で買収へ 種子販売補完
【ニューヨーク=西邨紘子】米遺伝子組み換え種子大手のモンサントは2日、気象情報事業のクライメート(カリフォルニア州)を9億3000万ドル(約900億円)で買収すると発表した。主力の種子・農薬販売を補完する事業とする。2013年9~11月期中に買収手続きを終える見通し。買収をテコに14年に農地の適性分析など農業補助サービスを立ち上げる計画。
クライメートは、米グーグル出身者らが06年に立ち上げた。農家向けに気象情報や農作物の収量予想などを提供したり、農業関連の保険を販売したりしている。
モンサントはクライメートの手がけている農業関連分野の情報分析の潜在的な市場規模を約200億ドルと見込む。ヒュー・グラント最高経営責任者(CEO)は「クライメートによる最先端のサービスの提供を拡大することで農家の収益性向上に貢献できる」とした。
モンサントが2日発表した6~8月期の決算は、最終赤字が前年同期の2億2900万ドルから2億4900万ドルに拡大した。売上高は22億200万ドルで約5%増えた。農薬を手がける「農業生産性」部門が増収となった一方、主力の種子事業で大豆の売り上げが落ち込んだ。特殊要因を除いた場合の1株あたりの損失は0.47ドルだった。
13年8月通期の決算は、売上高が前期比1割増の148億6100万ドル、純利益が約21%増の24億8200万ドルだった。