肝がん、西日本で高め がんセンターが罹患率分布図
国立がん研究センターは26日、西日本で肝がんと診断される人の割合が全国平均よりもやや高いことなどを示す、がん罹患(りかん)率の分布地図を初めて発表した。胃がんが日本海側、肺がんが北海道や近畿地方で高い傾向があるなど、一部のがんは地域差がはっきりと見て取れる。
同センターはがん患者情報の集計体制が整っている39道府県から集めた、2011年のデータを解析。年齢構成などを調整した上で、7種類のがん罹患率の全国平均値と道府県別の値を算出した。
肝がんでは兵庫、徳島、大分など西日本の多くの地域で、男女ともに全国平均の1.2倍以上だった。原因は不明だが、肝がんを引き起こす肝炎ウイルスの感染率が高いことと関係している可能性があるという。
また胃がんは食塩摂取量が多い地域、肺がんは喫煙率の高い地域で、罹患率が高くなる傾向があった。大腸、乳房、子宮、前立腺の各がんでは顕著な地域差はなかった。
同センターによると、各自治体のデータの質にはばらつきがある一方、16年からはがん患者情報の登録が法律で義務付けられるため、全国的にデータの質の向上が期待できるという。同センターは「より細かい分析が可能となり、(16年のデータがそろう)18年には都道府県ごとのがん対策の成果や課題を詳細に把握できるようになるだろう」としている。〔共同〕