シリア化学兵器使用に「強力な証拠」 米国務長官
【ワシントン=吉野直也】ケリー米国務長官は10日、内戦状態が続くシリアのアサド政権が反体制派に使用した化学兵器の「強力な証拠がある」と明言した。2年を超すアサド政権による弾圧で「7万~10万人が犠牲になった」と述べ、アサド大統領の早期退陣の必要性を重ねて強調した。
ケリー氏はインターネットを使った一般市民との対話で発言した。シリアの反体制派が化学兵器を用いた疑惑があるとする国連の調査委員会のデルポンテ氏の見解を否定した。オバマ米大統領は13日にホワイトハウスでキャメロン英首相と会い、シリア情勢への対応を協議する。
アサド政権の猛毒サリンガスなど化学兵器の使用を巡っては米政府が先月25日に議会に「ある程度の確信を持って分析している」と報告。オバマ氏は使用が確認できた場合は「レッドライン(越えてはならない一線)」と語り、反体制派への武器供与など軍事介入を検討する考えを示している。