東京駅八重洲口「グランルーフ」開業 写真で徹底紹介
2013年9月20日、東京駅八重洲口に南北をつなぐ「グランルーフ」が完成。その地下1階から3階に新たな商業ゾーンがオープンした。
グランルーフは八重洲口の2大高層ビル「グラントウキョウノースタワー」と「グラントウキョウサウスタワー」をつなぐ巨大な歩行者空間で、長さ約230メートルの大屋根と幅最大9メートルの歩行者通路、15店舗が出店する商業ゾーンなどからなる。
商業ゾーンは地下1階から3階で構成。2階以外は飲食フロアが占め、15店舗中14店舗が飲食店となっている。「東京駅構内には複数の商業施設があるが、食事をする場所は圧倒的に不足している」(商業ゾーンを運営する鉄道会館)。一方、歩行者通路上にある2階はICT(Information and Communication Technology、情報通信技術)ゾーンとし、ドコモショップやモバイルアクセサリー専門店が出店している。
ゆったり空間の店舗、注目は「ふれんち茶懐石」
飲食フロアの中でも、1~3階はカフェやレストランなど、広々としてゆったりと過ごせそうな店が多いのが特徴。
注目は「ふれんち茶懐石 京都 福寿園茶寮」だろう。お茶の老舗・福寿園が茶懐石(茶の湯の席で茶を飲む前に出す料理)をフランス料理にアレンジしてコース料理で提供する。そのほか、築地の料亭「竹若」が手がける、米をテーマにしたバルと健康志向のカフェレストランも面白い。
地下1階は「魚」と「肉」にエリアを分割
地下1階の飲食ゾーンはエリアが「魚」と「肉」に分かれているのが特徴。駅を利用する旅行者を意識し、機内食をイメージしたという。店舗ラインアップも寿司、天ぷら、すき焼き、焼き鳥、トンカツなど、魚と肉を日本ならではの多彩な料理法で楽しめる構成となっている。
ここでの注目は「山形酒菜一(やまがたさかないち)」。東京初進出となる山形の和食店だが、驚くのは酒の品ぞろえ。地元の酒造組合やワイナリーのバックアップを受け、「上喜元(じょうきげん)」「十四代」「くどき上手」といった日本酒、タケダワイナリーのワインなど、山形の希少な酒を手ごろな価格で楽しめるのだ。
さらに、寿司店を展開する企業が魚介をふんだんに使った天ぷらやイタリア料理を出したり、人気ラーメン店が自慢のスープを使った小龍包を出したりといった試みも面白い。福寿園の"ふれんち茶懐石"もそうだが、日本食の強みを生かして"進化した日本食"ともいえる新ジャンルに挑戦している点がユニークといえるだろう。
(日経トレンディネット 山下奉仁)
[日経トレンディネット2013年9月20日付記事を基に再構成]