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超高速になる次世代無線LAN ケータイ業界も熱視線

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無線LANはオフィスや家庭のインターネット接続で不可欠のツールになった。その使い勝手をさらに向上すべく、情報機器メーカーが中心となって次世代仕様の策定が始まった。都市部などアクセスポイントが密集する地域でも、実効的なデータ伝送速度を高めることが狙いだ。トラフィックの混雑に悩む携帯電話業界の企業も加わり、主導権の奪い合いが始まっている。

目指すは4倍速、毎秒10ギガビットへ

「大手ベンダーから活発な提案が相次いでいる。これからが正念場だ」――。無線LANの国際標準規格づくりを進める米国電気電子学会(IEEE)の専門委員会「IEEE802.11」の関係者は語る。同委員会は2013年5月、無線LANの現行規格である「IEEE802.11ac」よりさらに高速な次世代仕様の検討に着手し、昨年末から本格的な標準化作業が始まった。作業部会の名称は「11ax」だ。

世界の大手IT(情報技術)企業が策定を主導する。中国の華為技術(ファーウェイ)や仏オレンジ、米クアルコム、台湾の聯発科技(メディアテック)、韓国のサムスン電子などが名を連ねる。日本からはNTTなどが参加している。

16年後半をメドに暫定的な仕様を固め、18年から19年に仕様策定の完了を目指す。11axの策定に関わる日本企業の関係者は、「20年の東京オリンピックまでには普及させたい」と期待を込める。多数の参加者で混雑する試合会場で、途切れることなく通信できる無線LANを実現する考えだ。

11axの通信速度などのスペックは今後議論して詰めていくことになる。関係者によれば、実効的なデータ通信速度は11acの4倍以上で、毎秒10ギガ(ギガは10億)ビットを超える可能性がある。毎秒10ギガビットなら新聞の朝刊1200日分を1秒で送信可能で、フルハイビジョンの高画質動画をリアルタイムで閲覧できる。

ただ関係者によれば「端末の通信速度よりもシステム全体としてのスループット向上が求められている」と話す。11axは、無線周波数の利用効率を高めることでシステム全体としての実効的な速度を高めることを主眼としているのだ。東京の都市部など、無線LANのアクセスポイントが密集して配置されたり、隣接した周波数で様々な無線サービスが運用されたりしている環境でも、スムーズなデータ通信を実現することで、使い勝手を高める。

背景には、都市部での無線LANサービスへの不満の声がある。ビルなどが密集した地域でアクセスポイントが無秩序に設置されていたりすると、電波干渉などにより実効的なスループットが大幅に低下する場面がある。こうなると、「いくら最大能力が毎秒数ギガビットといっても、実際にはスピードが全然出ないことも多い」(ある11axの関係者)というのだ。

この問題意識を強く感じているのが、携帯電話事業者だ。スマートフォン(スマホ)向けデータ通信サービスは世界中で伸長し、その結果、通信トラフィックの混雑が課題になっている。その緩和策として、スマホの通信データのやりとりを無線LAN経由に迂回させる「トラフィック・オフロード」を積極化させている。

11axでは携帯電話網の混雑緩和や、携帯電話サービスとの連携強化も期待されている。携帯電話業界の国際的な標準化プロジェクトである「3GPP」と仕様検討で連携を模索しつつある。実際、11axの策定作業部会には、古くからの無線LAN関連企業に加え、携帯電話業界の企業が熱心に参画している。

携帯電話業界が無線LANをのみ込む

3GPPなど携帯電話業界の企業がaxの標準化に強い関心を寄せる理由はもう一つある。3GPP側も、次期仕様に無線LANサービスを取り込むことを検討し始めているのだ。現行のスマホで利用されている高速データ通信方式「LTE」の拡張仕様に、無線LANに近い通信サービスも組み入れるというコンセプトである。

例えば、無線LANが使っている周波数帯でLTEサービスを実行して高速化したり、無線LANのデータ通信を携帯電話網で集約するといった提案が出ている。あたかも、無線LANの技術やサービスを携帯電話業界が取り込もうとしているかのようだ。

IEEE802.11の標準化に関わる京都大学大学院情報学研究科の原田博司教授は、こうした動きを「周波数総動員の時代を迎えている」と分析する。通信トラフィックは増える一方のモバイル通信だが、携帯電話網として使える周波数帯は限られており、容易に収容数は増やせない。そこで、無線LANの電波を積極活用したり、今後はもっと高い周波数のミリ波なども取り込んで通信容量を高めて、伝送できるデータを増やす必要が出てくるとみる。

原田氏は「いずれLTEや無線LAN、ミリ波帯、さらに低い周波数帯のサービスなども組み合わせ、『スーパーキャリアアグリゲーション』といったコンセプトが登場するだろう」とみる。LTE用の周波数バンドを複数組み合わせる「キャリアアグリゲーション」というコンセプトが、無線LANや放送など異質のサービスの組み合わせにまで発展するという。

こうなると携帯電話などの移動通信と、「構内情報通信網」としての無線LANの垣根が崩れる。業種や業界の枠を飛び越えて、モバイル業界が新たな競争時代に入る。

携帯電話業界のニーズやコンセプトの理解が進まないと、市場競争から振り落とされることになりかねない。パソコン業界や情報システム系の企業のニーズから誕生した無線LANは、今後は携帯電話業界の動向を色濃く反映しながら進化することになりそうだ。

(企業報道部 蓬田宏樹)

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