シャープ、米HPに複写機OEM供給検討
年内にも合意
経営再建中のシャープが米ヒューレット・パッカード(HP)に自社の複写機をOEM(相手先ブランドによる生産)供給する検討をしていることが20日、明らかになった。複写機事業を巡ってはシャープが事業を分離し、韓国サムスン電子と合弁会社を設立することを検討していたが事実上頓挫していた。HP向けの供給を開始することで生産規模の拡大をめざす。
両社は早ければ年内に合意し、来春からの生産を検討している。ただ、条件などを巡り交渉を続けており提携に踏み込めるかは流動的な要素も残る。株の持ち合いなどは実施しない。シャープの2014年3月期の複写機事業の売上高は3100億円、営業利益は220億円を見込む。安定的に稼げるシャープの主力事業の一つ。
OEMを検討しているのは業務用に使われるA3対応の複写機。販売価格が1台500万円以上の高性能機でまずは月数十台を供給することを検討している。提携効果が見込めれば生産拡大も検討する。HPは利益率の高いA3機の自社ブランドでの展開を検討していた。保守などのアフターサービスはHPが担う見通し。
シャープは3月に資本提携を実施したサムスンと複写機事業で提携することを検討していた。シャープが複写機事業を分社化し過半以下の株式をサムスンに売却。1千億円規模の資金を調達した上で両社で市場開拓をめざす考えだった。しかし、特許を保有する国内メーカーや経済産業省が慎重姿勢を崩さなかった。
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