原発事故対策、国の関与強める 官房長官が方針
菅義偉官房長官は4日、都内で講演し、汚染水や除染、廃炉など東京電力福島第1原子力発電所の事故対策を巡り、国の関与を強めていく考えを示した。前の民主党政権が除染などの必要経費を東電に全額負担させる仕組みとしたことを念頭に「見直すところまで来ている」と述べた。
原発事故への対応では、自民党が除染やそれに伴う廃棄物を保管する中間貯蔵施設の建設・管理への国費投入を提言。菅長官は「与党としっかり調整しなければいけない」と語った。
原発の再稼働は「原子力規制委員会で(安全基準に照らして)認めたものは稼働するという方向になる」と、安全優先の姿勢を重ねて強調した。
環太平洋経済連携協定(TPP)交渉を見据えた農業改革は首相官邸の主導で進めていく考えを示した。「減反や戸別の所得補償の見直しに踏み込んでいるが、安倍晋三首相を中心に官邸の力が必要だ」と述べた。
新たな成長戦略のテーマとしては、農業や社会保障を掲げた。「(アジア各国との交流を促すアジア・ゲートウェイ構想など)アジアの成長を日本の内需として捉える仕組みづくりも重要だ」と指摘した。
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