中間貯蔵施設候補地の大熊町、安定した岩盤広く分布 環境省
環境省は30日、東京電力福島第1原子力発電所事故に伴う除染で出た汚染土壌を一時保管する中間貯蔵施設の検討会を開いた。候補地の一つである福島県大熊町でのボーリング(掘削)調査を公表。丘陵地に安定した岩盤層が広く分布することが分かった。井上信治環境副大臣は「9月末までに施設の具体像を示したい」と述べた。
同省は候補地として双葉、大熊、楢葉の3町を挙げており、2015年1月の使用開始を目指している。
これまでに大熊町で28本、楢葉町で3本のボーリングを掘削。大熊町は丘陵地に砂岩や泥岩からなる岩盤層「大年寺層」が主に分布することが確認された。井上副大臣は「安定した地盤があることはよかった」と語った。
除染で発生する汚染土壌や可燃物の発生量も再推計した。可燃物は焼却後に体積が2割になるとし、発生量は1600万~2200万立方メートルと推計。2011年10月時点の推計では1500万~2800万立方メートルとしていた。
まだ帰還困難区域における除染などの方針が確定しないため、中間貯蔵施設への搬入量は、これまでと同じ最大2800万立方メートルで議論を進める。検討会では施設の構造、具体的な貯蔵方法、維持・管理の指針などを今後議論し、施設の概要をまとめて地元住民らに提示する。