東電第三者委委員長「廃炉・除染、専門の別会社で」

東京電力の第三者委員会「原子力改革監視委員会」で委員長を務める米原子力規制委員会（NRC）のデール・クライン元委員長は13日に記者会見し、福島第1原子力発電所事故の廃炉・除染作業は専門の別会社をつくって担当すべきだとの考えを示した。「長期間の作業に従事する人材の確保が必要」と述べ、電気事業と切り離すことで実現できると主張した。

クライン氏は会見で米スリーマイル島原発事故の処理体制を例に挙げ、セキュリティーや環境保護の観点から専門的な作業員が継続して従事することが重要と指摘。「専任で廃炉・除染を担う組織をつくった方がメリットが大きい」と話した。

会見には東電の社外専門家でNRC時代にスリーマイル島事故収束を指揮したレイク・バレット氏も同席した。バレット氏は福島第1原発の汚染水について「何十年間もタンクの中にためておくのは不可能」と発言。9月下旬にも稼働する予定の多核種除去設備（ALPS）で大半の放射性物質を取り除いた汚染水は「いずれ海に放出する必要がある」と強調した。