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虫嫌いのママも納得 昆虫と仲良く暮らす秘訣

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日常生活で昆虫を目にする機会が減っている。広く使われている学習帳の表紙からも、定番の一つだった虫の写真がなくなった。世の中から虫好きがいなくなってしまったわけではないが、虫との触れ合い方が昔とは変わってきているようだ。人と虫とのかかわり方について最近の事情を探ってみた。

定番ノートから昆虫が消えた

多くの人が小学生時代などにお世話になった「ジャポニカ学習帳」。表紙に世界中の様々な風景や生き物の写真をあしらった学習ノートで、1970年の発売以来累計10億冊以上が売れているロングセラー商品だ。表紙の写真は、海外の珍しい昆虫なども多かったが、近年ちょっとした"異変"が起きている。

文具店の店頭を見ると、現在のジャポニカ学習帳の表紙はなぜか大半が花の写真。昆虫の写真は1冊もない。どうしてなのか。販売元のショウワノート(富山県高岡市)によると、表紙に使う写真はいずれも「ジャポニカ学習帳特写取材班」が世界中で撮影した貴重なオリジナル写真。改版は4年に1度で、「現シリーズ『アフリカ編』は、撮影できる昆虫の数が少なかったため、植物の表紙になった」(版権部)という。

もう昆虫は表紙に登場しないのか。版権部に尋ねると「今後、シリーズが変わるタイミングで昆虫が再登場する可能性はあるかもしれませんが……」という。

子どもたちの間ではヒーロー

昆虫は子どもたちの「嫌われ者」になった? 否、子どもたちの間ではむしろヒーローになっているものもある。

2003年にアミューズメント施設に登場し一大ブームとなったセガ(東京・品川)のトレーディングカードゲーム「甲虫王者ムシキング」。「ギラファノコギリクワガタ」や「ヘラクレスオオカブト」など世界中の実在する昆虫が描かれたカードでバトルする。セガによると、ゲーム機は09年12月に稼働停止したが、カードの累計出荷枚数は4億枚以上。稼働停止後もファンの声は根強く、13年8月にはカメラ撮影した写真で様々な虫が出現するスマホ型トイも発売された。

海外でも子どもの虫人気が高まっている。フランスで1998年に制作が始まったアニメ「オギー&コックローチ」。3匹のゴキブリが準主役のドタバタコメディーだ。フランスでもゴキブリは好かれる昆虫ではないはずだが、このアニメはフランスで幅広く知られ、2~10歳児の96%が知っている。12年に続編の放送が始まり、映画化の企画も発表された。

「姿を見ずに駆除や予防ができる」商品が人気

虫嫌いの子どもが増えているわけではないのだ。だとすると、学習ノートから昆虫写真が消えた本当の理由は? ショウワノートに改めて尋ねると、「お母さんが虫を苦手とする傾向があることも表紙から虫を遠ざけている一因になっている」(版権部)との声ももれた。

最近のママ世代は虫が苦手。そんな傾向を映す一つの事例が殺虫剤市場でみてとれる。ホームセンターやドラッグストアなどの殺虫剤コーナーには、多種多様な殺虫剤がずらりと並ぶ。殺虫剤シェア最大手アース製薬によると、商品の色違いなども含めた商品の最小単位であるSKUで数えると同社が販売している殺虫剤だけで250SKU以上あるそうだ。特にベランダや玄関などにつり下げるだけで有効成分がプレートから空気中に拡散し害虫をよせつけない「バポナ 虫よけネットW」(同)といった虫よけ商品が最近の売れ筋。ゴキブリ用では、おなじみの「ごきぶりホイホイ」だけではなく秒速ノックダウンをうたうゴキブリ用エアゾール「ゴキジェットプロ」も人気が高い。

家庭用殺虫剤の市場規模は年々広がっている。同社によると、多少の増減はあるものの05年に1000億円を突破、12年には1113億円の巨大市場に拡大した。販売が伸びているのは、「バポナ 虫よけネットW」や「新世代蚊取り」とも呼ばれるワンプッシュで殺虫成分を部屋に拡散させて蚊を殺す「おすだけノーマット」など、「虫に触れず、見ないまま殺せる殺虫剤や虫をよせつけないつり下げ虫よけ」だ。

「清潔なら」触れ合える

虫好きの子どもと、虫嫌いの母親。家庭内で昆虫と共生するのは一見難しそうだが、このハードルをクリアし、昆虫との触れ合いを楽しむ人たちも増えている。

「最近はカブトムシを飼うための様々なグッズが増えた」と語るのは、カブトムシやクワガタムシの専門店「ドルクスグッズ」(さいたま市)の角田正人取締役。

同店は数多く甲虫を扱っているのに、店内は驚くほど臭いがしない。角田さんの説明では、カブトムシなどは本来、それほど臭いが強くない。「飼育するカブトムシが臭う大きな理由はエサにある」という。

カブトムシのエサといえば、かつては脱脂綿に含ませた砂糖水やスイカの皮などが一般的だったが、これだとアリやハエがたかり、独特のふん尿の臭いがする。しかし最近は栄養バランスも考えた専用の「ポーションゼリー」なるエサも販売されている。手を汚すこともなくエサを与えられる。昆虫のお腹の中から消臭する効果をうたったゼリーや、昆虫に直接振りかけて付着したダニだけ殺す殺菌剤も登場。ダニが嫌がる成分とカブトムシが嫌がる成分は異なるため、カブトムシには害を与えないという。

角田さんによると、1匹3万円前後もするヘラクレスオオカブトを気軽に購入する親子連れも少なくない。同店の常連客でカブトムシ飼育歴17年の男性はヘラクレスオオカブトを家で飼育。「子どもの頃から好きだったヘラクレスを育てることができてうれしい」と満足そう。自分の息子は当初は虫好きでなかったが、最近では友達にも自慢しているそうだ。妻は大の虫嫌いだが、オガクズやポーションゼリーなどを定期的にきちんと交換するなどしているため、「全く苦情はない」という。

極端な虫嫌い、子どもに悪影響も?

一口に虫嫌いといっても、「虫そのものが嫌いなのではなく、臭いや汚れが嫌い」という人が案外多いのかもしれない。ただ、40年以上免疫学を研究し続けている人間総合科学大学の藤田紘一郎教授は「母親の過剰な虫嫌いは、子どもの身体や精神に悪影響を与えかねない」と警鐘を鳴らす。

清潔さを追求するあまり、異物を排除しようとする傾向が強まる危険があるとともに、本来は人間の個性の一つでもある臭いを必要以上に嫌うことが、個性や情熱などの感性を失わせる結果につながりかねないとも指摘。「昆虫嫌いも『過剰な清潔志向』の延長線上にあるのではないか」と藤田教授は分析する。

免疫力に影響を及ぼす可能性もある。免疫力をつけるのに大きな役割を果たす腸内細菌の組成パターンは生後1年までに決まるとされ、赤ちゃんは身の回りにある物をなめたりすることで必要な細菌を体内に取り込んでいる。だが「生活環境をあまり清潔にし過ぎると、赤ちゃんが細菌を体内に取り入れることができなくなってしまう」(藤田教授)という。

「虫好き」と「清潔好き」の奇妙な共存は、人間と虫のかかわり方の新たな形を映しているのかもしれない。

(電子報道部 松本千恵)

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