参院選の前哨戦・ミニ統一選 維新、伸び悩み鮮明
全国の市長選などが集中する「ミニ統一地方選」の大勢が21日に判明したことを受け、与野党は夏の参院選に向けた分析を急いでいる。自民党は高支持率を背景に比較的堅調だったが取りこぼしもあり、引き締めに躍起だ。民主党は与党に「相乗り」した支援も目立ち、存在感の発揮が課題となっている。日本維新の会は兵庫県の2市長選に続き名古屋市議補欠選挙でも敗北、大阪以外で伸び悩みが鮮明になった。
自民党は総じて手堅い戦いぶりを見せたが、県庁所在地の青森、名古屋両市で推薦候補が敗北。参院選を見据えると手放しで喜べるほどの結果ではなかった。
国政選挙で大票田となる名古屋市の市長選は特に重視し、石破茂幹事長ら幹部が相次ぎ現地入りしただけに「河村たかし市長に2倍以上の得票を許したのは想定外」(幹部)だった。石破幹事長は22日の記者会見で「市長選や知事選の対応をもう一度よく考えなければいけない」と強調した。
各種世論調査で支持率低迷にあえぐ民主党は振るわなかった。7日投開票の東京都小平市長選は推薦した現職が自民、維新などの推薦候補を破り、21日の名古屋市議補選でも維新候補に勝った。ただ名古屋市長選は河村市長に対抗し、自民党の県連推薦候補に相乗りして県連支持したが敗北。海江田万里代表は22日「善戦とか惨敗という認識を持っていない」と述べるにとどめた。
「今は完全にアゲンスト(逆風)で、大阪以外はどこに行っても負ける。大阪以外で実績がない(からだ)」。維新幹事長の松井一郎大阪府知事は22日夜、大阪市内で開いた府議のパーティーで危機感をあらわにした。
維新は14日に大阪府外の首長選で初めて擁立した兵庫県宝塚、伊丹両市長選の公認候補が現職に大敗。21日の名古屋市議補選では東海3県で初の地方議員誕生を目指して擁立した候補も敗れた。
日本経済新聞社などの世論調査によると、維新は参院選の投票先で初めて2ケタを割り、与野党内で「支持が頭打ち」との見方がある。党内には共同代表の橋下徹大阪市長らの「人気頼み」からの脱却を求める声が出始めた。
22日の国対役員会では参院選でアピールする政策に関する議員立法の国会提出を加速する方針を確認。幹部の一人は「橋下人気が残っている間に地方組織の整備など足場固めを急ぐ」と語った。