日産や富士重、ハイブリッド車発表 NY自動車ショー
【ニューヨーク=杉本貴司】ニューヨーク国際自動車ショーが27日、開幕した。日産自動車は独自に開発したハイブリッド車(HV)システムを搭載したSUV(多目的スポーツ車)「パスファインダー」を投入すると発表。富士重工業も同社初のHVを公開した。HV後発組が続々参入することでエコカー競争が加速しそうだ。
日産はエコカーでは電気自動車(EV)の開発を優先してきたため、米国でのHV販売は高級車ブランド「インフィニティ」の1車種だけだった。主力の「日産」ブランドでは、トヨタ自動車から技術供与を受けて2006年にHVセダンを発売したが、コスト高が響き販売が低迷。11年に撤退した。今回、自社方式でHVに本格参入する。
同日公開したパスファインダーのHVは、ガソリン車と比べて燃費性能が24%高い。モーター1つに大容量のリチウムイオン電池、無段変速機を組み合わせた独自の技術だ。今後はニューヨーク市が採用する予定の次世代タクシーにもHVを取り入れるなど他の車種でもHVを展開し、伸び悩んでいる米販売をテコ入れする。
富士重は筆頭株主のトヨタから技術指導を受けて、世界で初めて水平対向エンジンに対応するHVを開発した。日米で先行発売する。28日に詳細を公表する。トヨタは主力の中型SUV「ハイランダー」を公開。ガソリン車とHVの両方をそろえた。14年初めに発売する予定で、HVの燃費性能は非公表ながら同社幹部は「ケタ違いの数字になる」と自信を示した。
エコカー競争で日米勢と一線を画するのがドイツ勢だ。ガソリン車と比べて燃費性能が高いディーゼルエンジン搭載車に軸足を置く。フォルクスワーゲンはディーゼル搭載の小型車「ゴルフ」を公開した。BMWなどもディーゼル車を追加する。米メーカーではクライスラーが主力ブランド「ジープ」の新モデルを公表した。