北朝鮮に「非核化要求」採択へ ASEAN外相会議
【バンダルスリブガワン=吉田渉】日本や米国、中国、韓国に加え、北朝鮮も参加する東南アジア諸国連合(ASEAN)関連外相会議が29日夜(現地時間)、ブルネイ首都バンダルスリブガワンで開幕した。最終日の7月2日に開くASEAN地域フォーラム(ARF)では、核実験や長距離弾道ミサイルの開発を続ける北朝鮮に対し「検証可能な非核化」を求める議長声明を採択する見通しだ。
日本経済新聞が入手したARFの議長声明案は北朝鮮に対し、核兵器と核計画の放棄を約束した2005年の6カ国協議の声明を順守するよう求める内容。国連安全保障理事会決議の順守も要求している。
この会議は1年に1回開催し、アジアの安全保障などの問題を協議する。北朝鮮の外相が参加する数少ない国際会議で、会議期間中に米国や韓国などとの接触の有無が注目されている。期間中に日韓外相会談や日米韓外相会談も開く。
一連の会合では、一部ASEAN加盟国と中国が領有権を争う南シナ海を巡る問題も主要議題となる。ARF声明案では、中国とASEANの間で国際法に基づいて紛争を防止する「行動規範」を早期に結ぶことを支持した。ただ中国は紛争当事国との2国間協議を求めており、議論がどこまで深まるかは微妙だ。